対馬最南東端 神崎灯台(こうざきとうだい)
お盆休みに対馬に帰省してきました。
今回訪れたのは、対馬最南東端の断崖絶壁(海抜52mの岩盤上)に悠然とそびえ立つ、
「神崎灯台(こうざきとうだい)」です。
車を止めて、山道から断崖に抜けて歩き続けること2時間あまり。
ようやくたどり着いた神崎灯台。歴史を感じるその建物は、勇壮感すら漂っていました。
神埼灯台は、明治27年(1894年)に初点灯されました。
その頃、日清戦争が始まろうという時期で、日本海軍の要請により急造されたものです。
点灯開始から60年以上にわたり、灯台の管理を行うために、職員とその家族が灯台敷地内の宿舎で
暮らしていたそうです。
昭和35年からは、職員が2名ずつ10日ごとに交替で滞在しながら、灯台の保守・運用を行ってきたそうです。
その際、厳原海上保安部から浅藻集落まで出向き、そこから漁船に乗って灯台に渡っていたとのこと。
季節風の強い冬季や、低気圧や台風通過後に海上が荒れたときは船が使用できないため、
10日分の食料や着替えなどの大荷物を抱えて、今回私が歩いてきた険しい山道を2時間かけて
踏破していたというから驚きです。
その後、機器の改良(電源をディーゼルエンジン発電方式から太陽電池方式に変更)により
灯台管理は無人化され、現在は15日周期で巡回が行われています。
社会の変化や技術の進歩とともに、維持・管理の形態も変化を繰り返しながら、
神崎灯台は日々絶えることなく海を照らし続けてくれています。